薬剤師のつぶやき

2024-03-30 11:14:00

薬剤師のつぶやき57 野菜ジュースについて

なんとなく気温があがってきて、またフードの保管に気を遣う季節がやってきました。

 

ご相談も血液検査をされている方も多くかなり多いので、少しお時間いただいております。

 

最近野菜ジュースがわんちゃんに飲ませても大丈夫なのかというお問い合わせをいただきましたので

ここでつぶやいてみようと思います。

 

野菜ジュースにもいろいろありますが、当然のことながら塩分で調整したり、お砂糖がはいっているものなどをご利用される方は少ないと思います。

一番多いのは「無調整」

そのままのお野菜で・・・という売り文句のものですね。

 

たしかに響きも野菜の無調整のジュースなんてすごく体に良い気もします。

 

がここで落とし穴があります。

 

「濃縮還元」風味を損なわないように搾汁後に水分を蒸発させ濃縮し、冷凍状態で保管・輸送し、使用する際に再び水分を加えて元の状態に戻すこと

「ストレート」絞った果汁などをそのまま容器に詰め込んだもの

 

この違いがあります。

多くあるのは無添加無調整の濃縮還元ですね。濃縮還元の野菜ジュースは多いと思いますが、ではこれは本当にわんちゃんも飲めるのでしょうか。

 

メーカーさんによると犬に飲ませていいということはおっしゃっていないそうです。

 

わんちゃんが健康であってもやはりミネラル分がおおくなったり、普段から食事できちんとしたミネラル分を摂取しているところへ、さらに過多になれば

それなりに臓器への影響がでます。高カリウム血症にまでなってしまったら、愛犬さんにはとてもつらいと思います。

特に腎臓疾患予備軍やストルバイトなど尿路系の疾患がある場合には要注意となります。

 

 

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高カリウム血症・・・カリウムの多い食事、薬剤によってなります。

腎不全など、腎臓が上手く機能しなくなるとカリウム濃度が高くなり、高カリウム血症となります。

高カリウム血症になると、悪心、嘔吐などの胃腸症状、しびれ感、知覚過敏、脱力感などの筋肉・神経症状、不整脈などが主な症状として現れます

カリウムの多い食材の代表例・・ほうれん草、にんじん、バナナ、芋類、大豆、昆布、ひじきなどです。 野菜や果物、芋類、豆類、海藻など、日常的に口にする植物性の食材に多く含まれています。

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また濃縮還元のためそのままの原材料の水分ではないために、調整はしていないもののミネラル量などは通常食品分析の量とはかわってしまいます。

 

野菜ジュース、無添加、無調整となれば引きつけられるのはたしかです。

でも絶対に人間だけでお飲みください。

腎臓に負担がかかり、間違いなく腎疾患にまっしぐらです。そうなると高カリウム血症などを引き起こし心臓への負担も大きくなります。

 

メーカーさんも犬へ与えるのは・・・とおっしゃっていましたので、今現在野菜ジュースをわんちゃんにあげていらっしゃるかたは

ストップしてくださいね。

 

つらくなるのはわんちゃんです。

特に腎臓は年齢とともに弱っていく臓器ですから、たとえ大丈夫といわれてもそこは少し考えてみて

本当に大丈夫なのか、その場のスタッフさんが良いと言っても再度メーカーさんのお問い合わせ窓口で問い合せてみてください。

 

愛犬のために私からも何卒宜しくお願いいたします。