薬剤師のつぶやき

2024-06-13 18:00:00

薬剤師のつぶやき64 毒性について(オイゲノール)

お客様よりご質問がありました。
これは皆さんにも知っておいていただいたほうが良いと思い書いています。
オイゲノール(クローブ)の肝毒性について
弊社製品にオイゲノールがはいっている製品が多いためお客様よりお問い合わせがありました。
実際オイゲノールが人体、犬猫さんに肝毒性があるから危険だというお問い合わせはものすごく多いです。
たしかにオイゲノールには肝毒性があるのは事実です。
オイゲノール(クローブ)は歯医者さんの麻酔や香辛料などにも使用されています。
そのため人間はよくこれらを一時的に摂取することはあると思います。
しかしながら肝毒性になるほど高用量のオイゲノールを摂取することはほぼありません。
さてここまで読まれて気がついたでしょうか。
肝毒性というのは口からとったものから起こりうることになります。
皮膚から吸収されたものは肝臓で代謝されることはほぼなく、また皮膚から吸収され、血管に入り、そしてほかの臓器に達するとしても
その間に脂肪などに吸収されたり、変化してオイゲノールではなくなってしまっています。
たとえば、ふぐ毒。
ふぐは食べる方も多いのではないでしょうか。でもふぐは毒をもちます。そのためその部位を除去して食べると思います。
手でさわっても猛毒・・・ということではなく傷などがあるとそこから吸収されてしびれがおこったりはしますが経口(口からとった)量との致死量はまったく違います。
また食べても問題ない部分はまったくなんともないですよね。これは私たちも実感できることだと思います。
名前のものすべて(たとえばふぐ)が毒性があるわけではなく1部もっているのもあるわけです。
植物なら花が毒性があるという植物もありますね(スズランとか)1部に毒があるものもあれば、それ全体が毒であるものもあります。言葉のとらえ方も難しいとは思いますが(アロマなども精油とエキスが違うということを以前にも書きました。)危険というには必ず理由がありますので、その正しい理由を知って共有することは大切だと思います。
危険を伴うから使用しないというのは飼い主さんの判断です。私はそれでよいと思います。
無理して使用する必要はありません。しかしながら正しい情報を皆様で共有していただきたいと思います。
弊社製品はアメリカで作られており、世界中で販売しております。
また弊社のノミダニ製品などは特にFDA(アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)の略称で、食品などを取り締まるアメリカ合衆国の政府機関。日本の厚生労働省に似た役割を持つ。)から安全性データシートという安全性を証明された証明書を取得しております。
欧米諸国は日本とちがって、犬猫さんが命として扱われます。そのため製品には細心の注意が必要ですし、命の危険があるような製品を販売することで訴えられることも当たり前の国です。
毒性の強い植物も多く、判断に迷うことも多いのかもしれません。それでも薬剤よりはよほどマシと思うこともあります。こればっかりは個人の主観です。私は薬剤師であるがために薬に頼ることはしたくない派ですが皆様にも同じ考えであってほしいとは思いません。
腎臓が悪い子がお肉が好きでそれ以外は食べたくない子に悪くなるのを覚悟でお肉をあげるのか、長生きしてほしいから少しでもお肉ではない製品で好きな物を探すのか、それはそれぞれ一緒に生活する私たちの考え方なんだと思います。
まずは自分の子にどのように生活していってほしいか、そしてどうやって幸せにしてあげられるのかを考えてあげてくださいね。