薬剤師のつぶやき
10/2 薬剤師のつぶやき31 ~海鮮はうまいが疥癬はかゆすぎる・・・~
本日疥癬のご相談がありましたので、基本情報を掲載させていただきます。
疥癬はヒゼンダニ(疥癬虫、Sarcoptes scabiei)が皮膚の最外層である角質層に寄生し、人から人へ感染する疾患である。非常に多数のダニの寄生が認められる角化型疥癬(痂皮型疥癬)と、少数寄生であるが激しい痒みを伴う普通の疥癬(通常疥癬)とがある(表1)。近年わが国では病院、高齢者施設、養護施設などで集団発生の事例が増加しており、疥癬感染防止対策マニュアルの作成が行われているが、予防、治療法などに混乱があり、医療および介護関係者の間で問題となっている。
これは人間のほうの情報ですが、ヒゼンダニはものすごく小さいので肉眼の確認は難しいです。
ヒゼンダニの情報としてはこんな感じ・・・
ヒゼンダニの大きさは雌成虫で体長約400μm、体幅約325μmで、卵形、円盤状で肉眼ではほとんど見えない。雄は雌よりさらに小型である。卵→幼虫→若虫→成虫と約2週間で成熟する。幼虫、若虫、雄成虫は人の皮膚表面を歩き回るため、 皮膚同士の接触によって感染する。また、皮膚内に掘った穴や毛包内に隠れていたりするため、ダニの寄生部位を特定するのは難しい。皮表を歩き回っている雄 は雌を探し、交尾する。交尾後の雌成虫は、角質層に特徴的な疥癬トンネルを掘り進みながら、4〜6週間にわたって1日2〜3個ずつ産卵し続ける。卵は3〜 4日で孵化し、幼虫はトンネルを出てはいまわる。
動物疥癬も同じで皮膚の上で生きているため、外界にはいません。
またこれはスポットやノミダニ駆除剤ではなくイベルメクチンのようなフィラリア系のお薬などを使用して撲滅します。疥癬にかかっているわんちゃんのそばにいくことで感染するので、本来は隔離をしたりします。
疥癬ダニはかゆみがもっとも強く耳たぶに皮膚剥離が見られます。
そして非常に感染力が高くグルーミング機器などから感染することの多い疾患で、皮膚ソウは試験をしてもみつからないことも少なくありません。
治療としてはイベルメクチン治療がもっとも効果的です。
また皮膚をこすったりすることが多いので皮膚を傷つけてしまいます。そのためにティーツリーオイルシャンプーでシャンプーを行い、ティーツリーオイルスプレーとコンディショナーをスプレーしてかさぶたやうろこが皮膚からはがれやすいようにします。なるべくオメガ3,6などのサプリメント(弊社ではサーモンオイル)を食事に加えてかゆみを少しでもおさえることが必要です。
疥癬ダニは動物種特性があり、ペットから離れた環境や人間で繁殖することはできません。(動物種特性=犬なら犬、猫なら猫、人間なら人間というその生体によってちがうので犬の疥癬が人間の皮膚で繁殖することができません)しかしながら犬同士では感染しますので、疥癬と診断されたら多頭いるかたは必ずほかの子とは別で生活するようにしてください。