薬剤師のつぶやき
10/12 薬剤師のつぶやき 38 ~違い 動物愛護と動物福祉~
ここのところ忙しさにかまけてつぶやきをお休みさせていただいておりました。急に寒くなりましたが体調は崩されていらっしゃいませんか?
私はいつもご相談のさいにおうかがいすることがありますが、それは自己満足になっていませんか?ということです。ここでも犬猫さんと話し合ってきめていってくださいとか書きますが、冗談ではなく本気でかいているのですがなかなか伝わらないので、どのように書いていけばよいのか悩んでいたところ、すばらしい内容を見つけました。
人間の話し合っては言葉をだして・・・です。しかしながら犬猫さんは話をしませんが、サインは送ってくれています。それを私は話し合ってと書いていましたが、素晴らしいトレーナーである Y&I Academy の石井トレーナーさんがわかりやすく書いていらっしゃったので、転載の許可をいただきここに掲載させていただいております。
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日本の法律は動物愛護という考え方に基づいていますが、西欧においてはアニマルウェルフェア(動物福祉)という考え方があります。
この違いは何か皆さん、ご存知でしょうか?
動物愛護は日本のアミニズムを背景とした情緒的な判断基準に基づいているのに対して、アニマルウェルフェア(動物福祉)は、科学的エビデンスに基づいて動物への配慮のことを指します🌿
ワンちゃんの幸せ、を考えた時にいろんな考え方がありますが、トレーニングをしていると、飼い主さまの考え方があまりに情緒的で、犬が犬らしい生活を送ることを阻害していることがあります。
例えば、
※寒いから洋服を着せる、雨が降ってるから靴を履かせる、こうしたことは犬の行動の自由を妨げている可能性があります。
※欲しがるからと言って人間の食べ物を与えて、病気にさせてしまっている飼い主さまもいらっしゃいます。
※狭いところに閉じ込めるのはかわいそうだと、クレートやケージを使用せず、目を話した隙に食べてはいけないものを食べてしまって、病院に駆け込む事態になってしまう方もいらっしゃいます。
これらはすべて本当に犬のためになっているのでしょうか?それは飼い主さまの都合や主観が入っていませんか?
寒くてかわいそう、我慢させるのかわいそう、これらは全て飼い主の感情であって、犬を主体で考えた時の生活全体のメリット、デメリットを秤にかけて、科学的に、理性的に、論理的に考えること、これが動物福祉の考え方のベースです。
私はポムとペパリ(石井トレーナ様のわんちゃんのお名前です)が幸せで健康でいてほしいから、彼らが犬としての本能を充足させつつ、人間社会のルールを守ることが楽しいと教え、それでもやってはいけないことを教え、我慢しなくてはいけないこともあるよ、と教えています。
動物を管理するという気持ち、これはアルファシンドロームと混同されることがありますが、そうではなく、アニマルウェルフェアのベースにある考え方です。
犬の幸せは犬だけが決めることではなく、飼い主だけが決めることでもなく、双方が満足する形で幸せの形を決めていくものです。トレーナーとしてその幸せを実現するために、飼い主さまに考え方を変えてもらうこともあり、その一助となればと、アニマルウェルフェアの勉強もしています。
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私たちは様々なことを決めてあげなければならないと思っていると、大切なサインを見逃します。彼らはきちんと私たちに伝えてくれます。たとえば食事1つでもかれらに相談しているのではなく、それを販売している方が体調がよくなるとか、コレを食べると・・・的な説明を聞いて「これがこの子によい」と思い込んでしまうと、どれだけ体調が崩れても「フードではない」と思う方がいます。
なにかを1点みつめるのではなく、広い視野で物事を考え、そして犬猫さんたちが送ってくれるサインをきちんと受け止められるということは、毎日「はなしをする」ということが大変大切になると思いますので
ぜひ今日から一緒にいるときは声をかけてはなしかけてあげてください。
そういえば。。。。私の勝手に師としているシーザーミランは
犬の問題ではないのです。常に問題になるのは我々なのです。常に飼い主なのです。犬が健康に育ち、犬らしくあることのできる環境や境遇を作るのは我々の責任です
と言っていました。
これがすべてなんだと思います。
私たちは私たちの感情のままに動かす所有物者なのではなく 一緒に生きるパートナー(家族)であることを忘れないでください。
そして彼らが犬であり、猫であり、人間ではないということも。