薬剤師のつぶやき

2023-10-25 14:11:00

10/25 薬剤師のつぶやき42 ~クランベリーの素晴らしさ~

私はクランベリーという食物が素晴らしいということをアメリカにいるときに勉強してきました。

日本ではあまりまだ食べる事のない時代に、すでにアメリカのファーマーズマーケットでクランベリーの干した物がよく売られていました。

それを毎日食べて、さまざまな効果がでていた(皮膚が弱く、膀胱炎をよく発症したので)ために、実体験したというのも過言ではないかもしれません。

 

そして愛犬「あい」が我が家にやってきたとき、10日で歯茎が腫れてたんこぶのようになり、夜中に救急病院で処置していただきました。

それから少し考えて、もちろん口腔ケアはしていましたがクランベリーの食事に切り替えてみました(40参照)それがラム&クランベリーです。

 

クランベリーはただの実ではなく、私たちの愛犬のためにすごく働いてくれる優秀な食物です。

 

少しまとめました。

※クランベリー

古くはアメリカ先住民が食料や染料などにもクランベリーを役立てており、特に医薬品として重宝されていました。

当時の医薬品としてのクランベリーの用途は

泌尿器疾患や傷の治療

血液の解毒

胃や肝臓の不調、熱、下痢

など、多岐に渡っていましたが、特に100年に渡って航海中のビタミンC不足による壊血病予防に利用されてきました。

19世紀頃、クランベリーの本格的な栽培が始まり、様々な加工や製品の開発が知られるようになりました。

20世紀末になると、クランベリーの特性に対する研究が進められ、クランベリーの抗菌作用による尿路感染症、歯周病への効果が明らかになってきました。

 

●むくみを解消する効果

クランベリーに含まれているプロアントシアニジンは、腎臓の機能を活発にし、むくみを解消する作用が期待されています。

腎臓は、体内の不要な水分などを尿として排泄させる臓器です。

プロアントシアニジンは、抗炎症作用と抗酸化作用を持つため、細菌感染や酸化による腎臓のダメージを防ぐという報告があります。このため、プロアントシアニジンは腎臓の機能を維持し、利尿作用を高めて、むくみの原因となる体内の余分な水分や老廃物の蓄積を防ぎます。

プロアントシアニジンが持つ抗酸化作用によって、むくみの原因となる血液の滞りを改善する働きも知られています。

活性酸素は血中のコレステロールと結びつくことで悪玉(LDL)コレステロールを生成します。さらにそれが血管内壁に付着して、血流の妨げになります。

クランベリーが含んでいるプロアントシアニジンは、抗酸化作用によって悪玉(LDL)コレステロールの生成を抑制することができるため、血流を促進し、余分な水分や老廃物を体内から排出する効果が期待できます

 

●尿路感染症を改善する効果

クランベリーは、尿路感染症の改善に有効であるといわれています。 尿路感染症とは、膀胱などの尿路で細菌が発生することにより炎症が起こる病気で、膀胱炎(ぼうこうえん)や腎盂炎(じんうえん)などが挙げられます。 細菌が取りついた患部は赤く炎症を起こし、悪化すると排尿時などに激しい痛みや残尿感を覚えたり、頻尿や血尿などの症状が現れます。

クランベリーに含まれるプロアントシアニジンが持つ抗酸化力によって、大腸菌などの感染菌が尿管の上皮に付着するのを防止する作用があります。

また、クランベリーに含まれるキナ酸は、肝臓で代謝されることにより馬尿酸へと変化します。馬尿酸によって感染菌が増殖する原因である尿のpHが、健康な尿と同じ弱酸性に保たれます

クランベリーに含まれるプロアントシアニジンとキナ酸の相乗効果によって、尿路の健康維持に効果を発揮します。この効果に関しては、人体で尿路感染症に感染した女性を被験者とした臨床試験も行われています。クランベリージュースを飲用させたグループと、飲用させていないグループに分け、尿路感染菌の生菌数を比較したところ、クランベリージュースを飲用した被験者において尿中の尿路感染菌の減少が認められたとの結果が報告されています。

 

● 歯周病の予防効果

クランベリーを摂ることは、歯周病を予防する効果があるといわれています。

歯周病とは、歯周組織が歯垢に存在する歯周病菌に感染することで歯茎が腫れたり、出血する病気で、悪化すると歯が抜けてしまう場合もあります。

クランベリーに含まれているプロアントシアニジンの抗酸化力は、口内でも発揮されます。 口内で発生した歯周病菌や歯垢にプロアントシアニジンが作用すること増加を防ぐことができるため、クランベリーを摂ることで歯周病を予防することが可能であるといえます。

 

 

●美肌効果

クランベリーを摂取することによって、美肌効果が期待されています。

クランベリーには、ポリフェノールやビタミンCをはじめとする抗酸化作用を持った物質が豊富に含まれています。 抗酸化作用を持つ物質は、健康に対する働きかけだけではなく、美容に対しても極めて重要な働きをもちます。 過剰に発生した活性酸素は、肌の細胞にも悪影響を及ぼすため、シミやたるみなどの大きな原因となります。 クランベリーに含まれる抗酸化作用を持つ栄養素が、活性酸素を除去することで肌の細胞を健康に保ち、美肌に対して効果があると考えられています。

 

●生活習慣病を予防する効果

クランベリーには、コレステロール値を改善することで、生活習慣病を予防する効果があります。 クランベリーに含まれるプロアントシアニジンやアントシアニンは、抗酸化作用が高く、血管内で動脈硬化などの原因となる、悪玉(LDL)コレステロールの酸化を防ぐ働きがあります。

心臓病の多いアメリカでは、民間療法としてクランベリーが一般的に用いられています。

 

補足・・・

1,活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応性が増すことで強い酸化力を持った酸素です。体内で過剰に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化の原因になるとされます。

2,腎盂炎(じんうえん)とは、腎臓と尿管の間にある腎盂という器官が細菌に感染し、炎症を起こす病気です。膀胱炎と同様の症状が発生するといわれています。

3,馬尿酸とは、馬などの草食動物から発見された酸性の物質です。 食事やサプリメントで摂取できます。

 

こんな愛犬さんにおすすめ

○尿路感染症

○泌尿器系の病気予防

○歯周病を予防

○皮膚疾患