薬剤師のつぶやき
薬剤師のつぶやき47 ~腫瘍(ガン)と食事療法~
このつぶやきをする日はそんなに遠くないかなとは思いましたが、書かなくてはならないと思う時がきたら・・・と思っていました。
最近というか本当にお問い合わせは多いなかでもこの腫瘍になったときの食事に悩まれる方も多いので簡単に書いておきます。
人間の癌になりやすいもののナンバーワンは喫煙&アルコールですが、食事なら赤身肉や加工肉を多く取ることです。このような動物性タンパク質を多くとることによってガンの発生率は高くなります。昔はガンはアメリカの犬猫さんではよく聞きましたが(30年前)日本ではガンというのは犬種猫種の遺伝子によって多い場合はありましたが、ここまで多いと感じることはありませんでした。
人間もそうですが、日本人が欧米諸国に比べてガンの発生率が少なかったのは、精進料理といわれる食事にあると言われています。最近は欧米化し、肉食になった加減でガンの発生率は増えています。成人病とも言われていますよね。もちろん添加剤などによるものというのもあるのかもしれません。ジャンクフードをとることも増えましたし。
しかしながら腫瘍(ガン)はやはり高タンパク(赤みのお肉)を多く取ることで増えてるというのは事実私たちの生活もそのように移行しているので、間違いなく原因の1つになっています。
ガンを防ぐ(予防する)のに食物繊維やきのこ類、海藻などを摂取し、増加させることで予防もできるとは言われていますが、日本は許可されている農薬が多く、それが癌の片棒をかついでいるとも。
まあそれでも私たち人間は解毒のできる体をもつので、きちんとバランスよく食べて、健康的な生活をおくっていれば回避できることも多いと思います。
しかしながら犬猫さんはその解毒というものがなかなかできにくい体です。そのため毒素をためやすく、腎臓や肝臓を悪くしやすいですよね。
皆さんは添加剤のはいっていないお食事や、手作りならお野菜を多くとったり、免疫を高めることを考えていらっしゃるのではないかと思います。
それは素晴らしいと思うのですが、どうしても1つ抜けてしまうところがあります。それはタンパク質です。あるショップさんがわんちゃんの常時食事でとらなければいけない蛋白量は
30%以上
30%以下
どちらでしょうというものがでていました。
先日結果をみせていただいたのですが、30%以上を選択した方が多いのには驚きました。犬猫は肉食だから・・・という概念も入ってそのような結果になっているのだろうとは思います。
ですがこれも原因の1つになっているのではないかと思います。
最近の研究で
全粒粉の穀物は、消化管のがんを減らし、あらゆるがんの死亡リスクを低下させることがわかっています。
全粒粉の穀物は、食物繊維のほか、ビタミンやミネラルも豊富です。これらの栄養素が総合的に作用して、がんの予防につながります。
これを読んで皆さん思い当たることありませんか?
私がこの業界にはいってアイムスによるメラミン事故があり、そのあとからグレインフリー神伝説が今まで存在していると思います。そこからわんちゃんねこちゃんは穀類をとることが減りました。また肉食だからと生食なども・・・。
もちろん生食などが必要な子はいます。ですが高タンパクをとって体をつくらなければならない犬種とそうでない犬種があると思いませんか?
またこの世に生まれてから虹の橋をわたるまで高タンパクであってよいのでしょうか。
グレインフリーでなければならない国の犬猫さんもいます。牧羊犬や馬と一緒にかけまわるような犬は生食でないと体がもちません。
また異常に寒い国(カナダ、イギリス、ヨーロッパ、ロシアなど)の犬猫さんも蛋白をしっかりとって燃焼させなければ代謝が出来ないと思います。
国によっても、そしてその年齢、犬種猫種によっても食事は異なるのではないでしょうか。
それを誰もかれもがグレインフリーがよいと言っていることが私は疑問に思います。
弊社にも実はグレインフリーの食事があります(販売はしていません)
でもそれに書いてありますが、高エネルギーが必要な犬用と書いてあります。日本で高いエネルギーが必要な・・・と考えたときに、ほぼあてはまらないと思って、私は輸入しませんでした。
穀類「悪」というのは私は遺伝子組み換え原料を使用しているフード会社があるということが問題であって、穀類は犬猫さんの体に必要な原材料なのです。
野菜(食物繊維)によって腫瘍(ガン)が予防できると思い、野菜を食べさせているという方もいますがストルバイトや甲状腺疾患になりやすくなります。
人間とちがって野菜の食物繊維そのままで腸内の掃除ができるわけではありません。
食物繊維になりえる犬猫用製品を食べるほうが良いと思いますし、野菜にはそれこそ日本の農薬に対する規制は欧米諸国より緩いのもあって生野菜には残留農薬も多いです。
還元できない体をもつ犬猫さんには厳しい量の農薬のうえに、これによって腫瘍(ガン)を引き起こしてしまう可能性もあります。ペットフードなどの保存料や添加剤よりもこの農薬のほうが100倍?1000倍?こわいとおもうのは私だけでしょうか。
また植物性のものに含まれているβカロチンなどもガンの予防によいとされていますが、そのまま食べてもそこまでたくさんとれませんし、これは油などと一緒にとることで吸収がよいともされています。
私が腫瘍の子におすすめするのは、動物性蛋白を抜いたヴィーガン食を基本的なところではおすすめしていますが、様々な食事を駆使して犬猫さんが最後までしっかり食べれるような、そんな食事を考えています。
でもやはり腫瘍になってしまったら、手作りよりはすべてのバランスがしっかりとれていて栄養素がわかりやすいペットフードのほうが、ガンから身を守るには良い食事だと思います。
私が私のエゴで腫瘍とたたかう子になにかを強要したいとは思いません。
飼い主さんとそして腫瘍とたたかう子がたとえ通常より短い命であっても、最後まで幸せでいられるような生活が送れるようにしてあげたいと思って、ご相談にのっています。
腫瘍と診断されてからでは遅いです。欧米諸国を見習うにも気候や環境が違います。まず日本の環境で私たちのもとで過ごすあの小さな可愛い愛する犬猫さんたちのために、何が1番大切なのか・・・考えてみてください。