薬剤師のつぶやき
薬剤師のつぶやき51 冬の水分補給
お久しぶりです!なにもできず書かずにいたらもう2023年もまもなく終わってしまうと言う。
光陰矢のごとしではないですが、ほんとにあっという間の1年で、時がたつのがあっという間。。。
最近はご相談も多く、皆様が気軽に質問してくれるようになったのは良かったと思うのですが、便利屋さんになってもいけないと思っています。
まあ最近は便利屋さんのようなご質問も多いので、これもどうかと思いますが、それでもその先に犬猫さんがいるわけなのでわけへだてなくご相談にのっています。
ところで、この冬(冬なのか?)はかなり体調を崩されている子も多いです。新たに病気が見つかった子もいれば、持病がひどくなったとのご相談もあります。
もちろん健康そのものでいらっしゃる方もいますが、やはりそういう子は経過観察中でしっかりケアをするような状態だったからという理由でもありました。
そのなかでも一番多いしっかり水分補給ができず、BUNやクレアチニンの数値があがってしまった!というご相談です。
水分補給できていないわけではないんです。というお話も聞きます。が!落とし穴がここにあります。
私が2013年くらいに母と渡米したときのこと。
夏の暑い時期でした。
そのときに体験したことがこれ。
「暑くて汗も乾燥するね」
どういう意味かわかりますか?じと~~~っともしない、汗が流れ落ちることもない、ただただ暑い。
Tシャツは汗臭いのに汗はでていない。出ている感覚もない・・・。
出る汗さえも乾燥してなくなってしまっているということで、汗はでているのに気がつかず脱水になるといけないねっていう注意を自分たちで促していました。
この現象は私たちの今の冬時期にもいえることなんです。
寒いからなんとなく汗を出すという感覚はないですが、空気は乾燥しているし、動くから代謝はよくなります。だから体液は夏場のようにそれなりに消滅しているんです。
でも夏よりのどもかわかないし、水分補給も夏よりは少ない・・・。
となれば脱水という状況が体のなかでおこって、腎臓に負担をかけているということになります。
そのときに大体皆さんは点滴をされると思うのですが、犬猫さんの点滴は皮下になります。そのためソルラクトのような補液でも皮下に液が入ればそれなりに痛いし(人であれば血管内なのですが漏れると痛くて腫れます)、点滴は血糖値があがってしまうためにどうしても食事がとれない子が増えます。
そのため食べさせたい!と思っている場合には悪循環になりがちです。(嘔吐したり食欲がなくなったり)
食べさせたいと思うときは点滴を1日1回なら2日に1回にして1回はウエットフードのみを食べさせる。口からとれる栄養と水分(お出汁などを一緒にウエットフードにまぜてミキサーするとさらに水分とれます)を1日することによって食べる目的は果たせます。しかしながらどうしても点滴はしたいという方は無理に食べさせないことも必要になってきます。
血糖値があがることで食事をとりにくいのは体の機能のなかでも神経的なところのお話になります。
食事をすることができないと、筋肉がおちたり、運動的機能は落ちてしまうので、点滴も善し悪しなのです。
腎臓の数値でも脱水をしているから危険だよという数値の出方もあります。
ぜひとも、ただ数値があがったから腎臓が悪いとイコールにしてしまうのではなく、このような水分補給で少しもどることもありますので冬の水分補給はとても大切な1つとなります。
冬の間はウエットフードを多めにして、体液を少しでも維持することは腎臓を守るための手段にもなります。
もちろんこれは消化もよくなりますし、普段よりも栄養吸収しやすくなるので、冬の内臓機能維持のためにもぜひおすすめいたします。
ウエットフードは消化しやすく水分補給になる優れものですが、ものによっては腎臓をいためてしまうものがありますので
そのあたりはご相談ください。
まもなくクリスマス。
素敵な楽しいクリスマスをお過ごしください。