薬剤師のつぶやき
9/28 薬剤師のつぶやき27 ~デンタルフォーム~
9月21日にイギリスから届いたデンタルフォームが期限がなく皆様にご協力いただいたおかげで、ほぼ完売となってきました。
400本以上ある製品を廃棄することより、せっかくあるものを捨てることのつらさ。
お金よりなにより、少しでもだれかの口腔ケアができたら・・・と思っていました。
あるショップさんがイベントや歯のケアをされるとのことで、それにご使用いただくのにご購入いただいたり
皆様にお試ししていただいて本当に感謝でしかありません。
先日インスタグラムで我が子の歯のケアについて載せました。
我が子は保護犬でもちろん歯石ケアはしてあったものの、歯茎も弱く、はもあちこちで、抜けてる歯や歯石がど~んとたまった歯も多くありました。綺麗な歯というものがなくて、我が家にきて10日もたたない間に歯茎からのばい菌で膿がたまり喉元のところが破裂するということがありました。熱もでて本人はとてもしんどかったと思います。
硬いものはたべられないし、少し疲れがたまるとすぐにその場所に影響するという。。。先日も大出血をおこし病院にもいきましたが、歯を抜かないといけないということでかなり迷いましたが、まずケアをしてどこまでよくなるかをみてからでもいいですという先生のお言葉をいただき、今ケアをして半月。この間何事もなく1本歯が抜けました。とくに出血もなく熱をだすこともなく、気がついたら歯が落ちている・・・
デンタルフォームで1日2回朝晩ケアをしてデンタルジェルを美味しくなめてくれるので昼間やサプリなどのあとに少しずつあげて、2日に1回ほどデンタル用のフィンガーワイプで少し歯を綺麗に拭いています。
我が子はやはり歯や歯茎に痛みがあったり違和感が多いため、口の中を触られるのはものすごくいやがります。ハミガキとかもできません。が、歯が抜けた後、歯茎はしっかり綺麗でまったくなにか起こることもなく過ごしています。
歯を綺麗にすることは本当に大変であり、また大切名なことではあると思いますが、やはり健康な歯茎あってこそと思い、なにより歯茎ケアをしっかりやってきました。
デンタルフォームはその歯茎ケアをするにはぴったりで、今も毎日だれかが必ずケアをしていますが、犬歯もこすっても拭くこともほぼしていませんが、ひどく黒かったのが薄くなり、いまでは白っぽくなってきて、まさしく救世主となったデンタルフォーム。
私の中では我が子の歯のケア 口腔ケアは無理せず、ストレスかけず 病気にさせないためのケアとしてやっています。
我が子のように口腔内に問題があって、なかなかそれも触らせてもらえない・・・という方はご相談ください。病院の先生や私の家族もさわるたびに威嚇され(笑)噛みつかれそうになっているのは、やはりいやなんですよね。
無理をしたところで、歯は綺麗になっても心には傷がつくかもしれません。
そんなことはやっぱり悲しいので、ぜひともストレスなくデンタルケアをしたい方には様々な製品、様々な方法があると思います。時間はかかっても確実に、また口腔内全体をケアできる製品たちが問題解決してくれることも多いと思います。
無理したくない、嫌がられる、という子のためにもある製品たちをぜひともこの機会にお試しください。
9/27 薬剤師のつぶやき26 ~その数字に惑わされないで~
私のなかでいつもなんでそうなるんだろう・・・と思うこと。
それは見た目の数字。
見た目の数字ってなんか変な表現ですが、これはよくあるパッケージにかかれている素晴らしく優秀な保証分析値や広告にかかれている良い数字のこと。(例えば寿命が〇歳のびますとか〇〇〇頭の子が改善!とか)私は薬剤師なので、薬のmg数とか、投与量とか数字を扱うことも多く、基本的にはこれですが、実際にはこうです!と説明するときにも数字で示します。
よく質問で保証分析値にあるリンの量やカリウムやナトリウムなどもですが、蛋白や脂肪の数値などに惑わされることが多いです。
なぜかというとこのフードにはこれだけのタンパク質が含まれていて脂肪はこれだけで、炭水化物はこれだけです。。。とみるとなんとなくそれがすべて体の中に吸収されてって思いがちですが、ここに個体差がでてきます。
胃腸が弱かったり、内臓機能が衰えてたりするとタンパク質をフルに活用できなかったり、中性脂肪が多すぎて、血管内の脂肪にかわりコレステロール値が増えてしまったり、エネルギーに変わるはずのものが全く機能しなかったり。。。
たしかにペットフードには保証分析値というのはありますが、それはその食事の保証分析値であり、体の中にはいったときの保証分析値ではありません。
いうなれば私たちでいうインビトロとインビボといって試験管内での実験で出た数字と、実際に体の中でおこった反応の数字をみるのですが、個体差もあり、かなり数字もかわります。
なので、この保証分析値のすべてが吸収されて血となり肉となり、パワーになるわけではなく、その子ができうるカロリーしかとれないわけです。
体重や排泄などを観察して、どんなに優秀なフードであっても、愛犬愛猫の体の調子と相談しながら、栄養のとれ具合をみていっていあげてください。
そのため・・・私はパッケージに何か書くより、その愛犬愛猫の調子で勝負ができるような食事をさがしてきました。
なにか今の食事に違和感がある場合にはご相談ください。
9/26 薬剤師のつぶやき25 ~安心安全の定義と100%ナチュラル~
私の最近の疑問。
なんとなく安心安全って書いてあったり、100%ナチュラルって書いてあること。
どこを読んで安心安全なのだろうとか、なぜこれが100%ナチュラルなのだろうと思うことがあって、ちょっと書いてみました。お客様から「天然のものですか?」という質問は本当に多いのですが、どれをもって天然という判断をされているのかもきちんと把握したいと思い、ちょっとお問い合わせのあった製品について書いてみます。
ご相談はマイクロシンAHという製品で傷などに使用してもしみないし、とても綺麗になるということでメーカーさん?ショップさん?からすすめられたとのことでした。
弊社取引先のベッツベストと同じ傘下にいるブランドのなかの1つなのですが、これはこれで本当に素晴らしい技術で様々な疾患や皮膚創傷の殺菌消毒剤などを開発しています。私は一番最初にこでが日本で販売する時のセミナー(開発者さんのセミナー)があって参加してきました。もう数年前になりますね。東京でおこなわれたそのセミナーに参加してそのときに皮膚病の権威の先生のお話もあるということで勉強させていただきました。
たしかにどの動物に使用してもよいということや、毒性が低いこともものすごく触れていました。鳥やうさぎにも使用できるすばらしい製品ということで、私もいろいろ考えましたがうちのコンセプトである100%ナチュラル(オーガニック)というのとは違うということで取扱はやめました。輸入しようと思えばできるのですが。。。
お問い合わせとしてはショップさんサイトをみるとこの製品が100%ナチュラルと書いてあるとのことで、なぜこの製品の原材料(説明には成分とかいてありますが、医薬品ではないので本来原材料などと書かないと薬機法違反になります)下記になりますがこれが100%ナチュラルなのか?という内容。
●成分:水、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、次亜塩素酸
原材料はたしかに天然素材とはいえない・・・ものの羅列なので、日本サイトではなく本社サイト(海外)のほうをみてきました。
この製品はメキシコで製造されているのですが、次亜塩素酸を独自に安全に使用できるようにしたものであってオーガニックや100%ナチュラルということの確認はできませんでした。
なのでもしかしてどこかの記載ミスをそのままコピペしていってそうなったと・・・いうことになり、(結構アマゾンとかはナチュラルではなくても記載があることがあります)
少し塩素の香りがするのもものすごく少量の遊離塩素からのものとのことなので、ナチュラルやオーガニックとはいえないかもしれませんが、翻訳の仕方?なのかなという見解でお客様にはお話しました。
様々な製品があるなか、少しでもナチュラルで体に優しいものをと思われるのは当然ですが、このマイクロシンのような少し特殊で難しい製品となると、ただのコピペでは伝わりにくいところはあるとおもいますし、製品自体を知らずに書いてしまうとどうしても間違いも起こってくるのではと思いました。(記載間違いに関しては弊社もほんとあまり人のこと言えませんが笑)
とにかく製品の安心安全はただ書いてあることをみて理解するのではなく原材料含めて確認して、疑問点は聞くことも大切だということ!という結果です!そしてやはり弊社はナチュラルでオーガニック製品の製品を多く皆様にご紹介できるように邁進していきたいと思います。
9/25 薬剤師のつぶやき24 ~尿路結石と食事~
今日は長編つぶやきです。もうすでにつぶやきではなくなってきています。
今日のお題は皆様も愛犬愛猫さんで経験したことがあるのではないでしょうか。
最近よくある質問が「結石用の食事をたべているのに結石がなかなか落ちなくて、どうしたらよいですか?」という質問です。
なるほど・・・・と思いますが、そこで質問となります。食事はその結石用の食事だけですか?と伺うと、最初はもごもごしていますが、「実は・・・」とはじまります。だいたい落ちないという際には結果なにかほかのものを食べていると考えられるのでそのような質問をしますが、意外と皆さん結石の種類についても、なんとなくしかご理解していないようで、下記のお話をすると驚かれ、わんちゃんのためにもうやめますとおっしゃいます。
それは・・・
先日セミナーでお話したのですが、私が若かりし頃(30年前・・・年齢ばれるではないか(^0^;))実は療法食で犬の尿石用といわれる食事というのは缶詰しかなく、ドライフードがありませんでした。猫ちゃんはそのころからストルバイトは定番でしたのでありましたが。。。そこまで犬の疾患としては多くなかったことが記憶にあります。あると便利だなあというほどのものでした。
ところが今現代になって弊社犬のストルバイトという療法食が欠品するほどの多さ・・・でもストルバイトは結構簡単におちてしまう結石です。しかしながらそうではない結石も。
尿路結石にもさまざまな種類があるので、これを確定することが大切です。もしストルバイトではなくシュウ酸カルシウム結石であれば特に溶けにくいものとなります。
結石の約80%はシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウムなどのカルシウム結石です。そのほかリン酸マグネシウムアンモニウム結石や尿酸結石などがあります。
腎臓から尿管、膀胱、尿道という尿の通り道(尿路)にできるため、総称して「尿路結石」ともいいます。
そしてよく聞くストルバイトというのはリン酸のほうの結石です。
まずは結石がなぜできるのかというと。。。
肉類など動物性タンパク質の摂取量の増加が指摘されています。愛犬たちの場合グレインフリーや生食などお肉を摂取できる環境になったのが大きな原因の1つでもあります。
動物性タンパク質の摂取が、どのように結石と関係しているのか…落ちない結石のほうであるシュウ酸カルシウム結石について説明しますね。
肉類などを多く食べると、シュウ酸や尿酸などの物質が体内に増えます。このうちのシュウ酸には、カルシウムと結合しやすい性質があります。シュウ酸は腸のなかでカルシウムと結びつくと、便と一緒にからだの外に排泄されます。
ところがシュウ酸の量が多いと、あまった分は尿のなかに出てきます。尿のなかでシュウ酸がカルシウムと結合すると、石のようなかたまりとなって排泄されにくくなり、腎臓に障害を及ぼしたり、尿管を詰まらせることになるのです。
こうした結石の仕組みからわかるように、肉類などの動物性タンパク質を多くとると、体内にシュウ酸などが増え、それだけ結石のリスクを高めることになります。
また、多くの結石にカルシウムが関係していることから、従来はカルシウムのとりすぎが原因のひとつとされました。しかしその後の研究などから、むしろカルシウムを積極的にとることが必要だとされています。それは腸内でシュウ酸と結びつくカルシウムを増やすことで、便として排泄しやすくするためです。
愛犬たちの食生活で様々な種類の食事やトッピング、おやつ等もふえたこと、またグレインフリーや生食で動物性タンパク質の摂取量が増えているのに対し、バランスがとれずカルシウムは必要とされる摂取量に足りていません。このことが結石を増やす大きな要因となっています。
また実は動物性タンパクだけでなくシュウ酸は結構愛犬が好んで食べるお野菜などにも多く含まれていて、ほうれん草、さといも、さつまいも、青大豆、たけのこ、レタス バナナ キャベツ ブロッコリー カリフラワーなど、多分皆さんがこの食材をみて
「あ、うちの子よく食べてる・・・」と思われる食材があったのではないでしょうか。
まずだいたい上記の食事を多く摂取しているわんちゃんがご相談多いのが事実ですね。
そしてきわめつけがおやつのジャーキーです。どのジャーキーもお肉ぎっしりなのでおすすめできません。これらが重なりなかなか石が溶けない状況にあるともいえます。
ストルバイトは水溶性なので尿が酸性に傾くことですぐに溶けてしまいますが、シュウ酸はカルシウムと結合して硬くなるためになかなか溶けないのもあります。
なのでシュウ酸カルシウム結石とわかったら、まずはバランスが整った総合栄養食や結石用の食事をとり、生野菜や生食や高タンパクの食事(お肉や内臓系)を控えて、また結石がなくなって尿Phがある程度安定してきたら多少食材に気をつけながら手作り食でも生食でも再開することは良いと思います。
なりやすいという子はなるべく療法食と組み合わせて上手にお付き合いしていけると良いですね。
9/24 薬剤師のつぶやき23 ~我が子の病気と人の感情~
皆さんは病気の我が子(犬・猫)と過ごすときどのように過ごしていますか?病気にもいろいろと軽症から重症まであるとおもうのですが・・・。
もちろん病気になったときは悲しいし、どうしたらよいかわからなくなることも多いですが、皆さん病院やその病気によいものをどんどん取り入れて最善を尽くすために情報をさがして我が子のために奔走するのだと思います。
そしていったん落ち着いたり、また元気になるとよかった~~~と思わずでる笑みは本当に嬉しそうで、私もご相談者さまでなんどか体験していますが、もうこれ以上ないほど喜ぶ姿を目にしています。
しかしながらその幸せな日々が長く続くと、今度はちょっとしたことで敏感になり、やりすぎてしまったり、考えすぎてしまったり、勘違いしていたりということもあります。
たとえばこんな動作・・・。体をあちこちにこすりつけたり、少し赤み?があったり、顔を手でこすってみたり。
さて皆さんは何と想像されましたか?私はよくこのように聞きます。
「体が痒いみたいであちこちなすりつけて、顔とかも前足でかくようなことをするんです。お腹もかいてたりします」
なるほど・・・これがかゆみと取るのかと思うことがあり、そういう時には動画を送っていただいたりするのですが、大半がかゆみではないことが多いのです。もちろんこれには私なりの裏付けはありますが、どうしてそれでかゆみがでたんだろう・・・などと考えることが多いのですが、でも様々な角度からみたくて、動画を送ってもらうと違うときも多いのです。
これはかゆみとみせかけて・・・・
口腔内に異常がある
耳に違和感
お腹の違和感
ということも考えられるわけですね。口腔内と耳はもうほぼおわかりと思いますが、お腹の違和感は胃がもたれるとか下痢まえのなんとなくの痛みみたいなものが感覚としてでてきて、体に動きがでてくるということになります。
私たちからしたら、痒いとか痛いとかそういうことというのは、口に出して言うことが出来て、さらに薬やマッサージなどをする、食事内容を変えるなど勝手になんでもできますが、わんちゃんたちは行動で私たちに教えてくれるわけです。そういう行動もするんだということを覚えておくのはとても大切なことだと思います。これが先にわかることで未然に病気を予防できる可能性が高くなります。
ただどうしてもかゆみだ!と決めてしまう相談者様もみえますので、そのときにはかゆみではないかもとわかる瞬間まで様々な方法でその行動を分析していき、お伝えすることをしています。
病気をすることで、またこうなったら・・・という不安も多いとは思います。
ですが、正しく判断するためには様々な角度からみることもとても大切です、大病にしないためには予防も必要ですが、その病気と決めつけるのではなくて、どんな病気が考えられるのか、今やっていてなにがこのような状況にさせていくのかということを観察し考えることも大変重要になります。
病気のときの苦しさは忘れてもらってもよいですが、今何が必要で何が大切なのか、見極めるということは忘れないでいてください。そしてどんな状況であっても犬猫さんの感情がいつも楽しい、生きてて良かったと思えるような毎日を過ごしてください。よろしくお願いいたします。